6338タカトリは世界の医療機器メーカーに大変貌か
タカトリという企業は、1950年に機械の修理屋さんとして創業。その後、当時画期的だったパンティーストッキング自動縫製機を開発し脚光を浴びた。
それから、半導体、液晶、マルチワイヤーソーなど、その創意工夫に長けた企業性を発揮して事業分野を拡大してきた。
2010年以降、経産省などの官民共同での事業やモデル企業としての地位確立、奈良県立医科大学との産学連携
現在タカトリは既存の事業で培った実績、ノウハウ、人脈を活かして、新たに医療機器分野に参入するという大きな転機に来ている。
タカトリの時価総額 50億程度
タカトリの時価総額は最近の株価上昇でもまだ50億程。ネット掲示板などで買い煽りが大量なため、候補から外されてしまっていたのかもしれません。
徳島大学と「胸腹水濾過濃縮装置」を開発、今年には上市予定!
「難治性胸腹水の外来治療を可能とするモバイル型胸腹水濾過濃縮用装置の開発」は日本医療研究開発機構委託 医工連携事業化推進事業に採択されています。
管理番号25-017 難治性胸腹水の外来治療を可能とするモバイル型胸腹水濾過濃縮用装置の開発
基本情報
製品名 胸腹水濾過濃縮処理装置 一般的名称 腹水濾過濃縮用装置 クラス分類 クラスⅢ 許認可区分 承認 申請区分 改良医療機器 承認・認証番号等 - 薬事申請予定者 株式会社 タカトリ 製販業許可 取得済み 上市予定
国内市場 海外市場(具体的に:欧米、アジア) 薬事申請時期 2016年 2017年 上市時期 2016年 2018年
2016年(平成28年)2月 の成果報告で上市は今年11月を予定
平成 27年度医工連携事業化推進事業 成果報告 「難治性胸腹水の外来治療を可能とするモバイル型胸腹水濾過濃縮用装置の開発」
平成28年 2月 委託者 国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 委託先 株式会社タカトリ
「難治性胸腹水の治療」は苦痛と治療の妨げの観点で癌診療を行う上で重要な課題
癌患者数は増加傾向にあり、推定患者数は 152 万人、約 80%の癌患者が抗癌剤治療(化学療法) を受けている。抗癌剤の進歩によって手術不可能な進行癌患者の生存期間が延長し、自宅で生活しながら外来で化学療法を受ける割合が入院を上回り、月に 13 万件の外来化学療法が行われている。 癌の約7割を占める消化器癌、卵巣癌、肺癌は進行すると癌性胸腹膜炎(推定患者:10 万人)を併 発して胸腹水が貯まり、また、肝癌の母地となる肝硬変(推定胸腹水患者:10 万人)によっても胸 腹水が貯留する。これらの胸腹水は、減塩や利尿剤が無効な難治性胸腹水であり、患者に大きな苦 痛を与えるだけでなく、治療の妨げとなるため、穿刺排液や入院を余儀なくされることも多く、「難 治性胸腹水の治療」は癌等の診療を行う上で重要な課題となっている。
現在の CART は入院が必要なため、外来でも施術可能な CART が求められている
胸腹水濾過濃縮再静注療法(Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy;CART) は、穿刺排液した胸腹水を 2 本のフィルターで濾過濃縮して点滴静注する治療法であり、難治性胸 腹水に対し 1981 年に保険適応となった確立した治療法である。CART は、現在、①落差式、②ポンプ 式、③陰圧式(KM-CART)の 3 種類の方法によって濾過濃縮処理が行われている。しかし、処理の手 技が煩雑で、経験とマンパワーを要し、治療時間が長いため入院治療が必要で、癌診療連携拠点病 院(全国 397 施設)でさえも、適応のある患者に対して CART が施行困難な場合も多く、国内施行件 数も 2 万 5 千回/年と少ない。外来でも施術可能な CART を確立し、普及させる必要がある。
癌診療の医療現場で必要としている新しい胸腹水濾過濃縮処理装置を開発
そこで、安全・有効・簡便・経済的で、患者・家族・医療スタッフの QOL(Quality of life)を 考慮した質の高い癌等の診療を行うため、経験のない医師や看護師が簡単な直感操作により短時間 の実働で自動的に濾過濃縮処理ができ、治療時間短縮によって入院を必要としない難治性胸腹水の 外来治療を可能とする、持ち運び容易な安価で購入し易い CART 専用の新しい胸腹水濾過濃縮処理装 置の開発を目的とする。平成 27 年に薬事申請を行い、平成 28 年に上市を目指す。
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(2) 事業化に向けた検討結果
1) 薬事申請
全般相談(2015 年 7 月 13 日@PMDA)
承認申請予定の腹水濾過濃縮用装置に関して、申請区分と申請資料の充足性についての相談を行った。 結果、「対面助言準備面談」を経て「開発前相談対面助言」を受けるよう助言を受けた。
対面助言準備面談(2015 年 8 月 3 日@PMDA)
承認申請予定の腹水濾過濃縮用装置に関して、申請区分、品目仕様、基本要件基準の設定についての相談を行った。 結果、申請区分を明確にし、その上で「開発前相談」をうけること、規格、試験方法の評価が必要であること、「自己血回収装置」と比較した各条項の適用・不適用を明らかにし、差分がある場合には 説明すること等の助言を受けた。
開発前相談対面助言(2015 年 9 月 3 日@PMDA)
承認申請予定の腹水濾過濃縮用装置に関して、申請区分、品目仕様、基本要件基準の設定についての相談を行った。 結果、申請区分を改良医療機器とし、品目仕様、基本要件の設定については、妥当であるとの回答を得た。
2) 医療機器等のターゲット市場
国内市場
上市時期 平成 28(2016)年 11 月
海外市場 欧米、アジア
上市時期 平成 30(2018)年 12 月
他社の多用途血液処理用装置より、胸腹水濾過濃縮装置が優位
安い!早い!動ける!簡単!
難治性腹水患者の腹水を取り出し、細菌、癌細胞等の不要成分を濾過除去した後、 蛋白その他有用成分を濃縮し、プラスマ様蛋白濃度として、再び静脈に注入を行うための回路。
今後、CART を「癌の積極的な治療を行う際の強力な支持療法」 として位置づけて、癌診療連携拠点病院(397 施設;平成 25 年 1 月)に導入を展開。
医療機器開発支援のお陰で人脈豊富、良いものが作れるネットワーク
薬事承認後、まずは、徳島大学病院、徳島大学系列病院、徳島市民病院、四国中央病院に販売し、 医療現場の声を収集し、改良点を洗い出す。同様に、札幌北癒病院、北九州古賀病院、埼玉医科大 学、東京大学など、CART を実施している病院に販売し、医療現場の評価を受ける。昨年度に新設し 6 た徳島大学病院内の研究室を維持し、装置普及に必要な改善を進め、改良機で薬事承認を得る。 さらに、FDA に申請し、テキサスメディカルセンターで臨床評価を受け海外展開を図る。
奈良県立医科大学と平成28年3月9日付で「血圧測定装置及び血圧測定方法並びに睡眠状態測定装置及び睡眠状態測定方法」の特許
奈良県立医科大学と共同で特許出願を行いました。
奈良県立医科大学と株式会社タカトリとの「産学連携に関する包括協定」に基づき、平成26年 研究成果最適展開支援プログラムA-STEP採択課題「体位センサーを搭載したアクチグラフ睡眠計・自由行動下血圧計の開発」について共同で研究開発して参りましたが、この度、その研究成果として、共同で特許出願する運びとなりました。
そこで、平成28年3月9日付で、以下のとおり共同で特許出願を行いましたので、ご報告申し上げます。
出願番号:特願2016-045202
出願日:平成28年3月9日
発明の名称:血圧測定装置及び血圧測定方法並びに睡眠状態測定装置及び睡眠状態測定方法
特許出願人:公立大学法人奈良県立医科大学、株式会社タカトリ
こちらの特許について詳細はまだ分かりませんが、今流行りの睡眠の質と健康のチェックではないでしょうか?
測定方法の特許と言う部分が面白いですね!測定方法でアプリやウェアラブル端末などに利用されたらすごそうだと漠然と考えてしまします。
私も睡眠状態にはとても関心があります。血圧測定方法もわざわざ特許にすると言うことは何か特殊な方法なのでしょう・・・
出願だけだとまだわかりませんが、発明家のタカトリに注目ですね。
もちろん既存の事業も、スマホなど現在の先端機器の製造に貢献している事業です。優良企業なので応援したいです!