記事掲載時 時価総額 28億9000万円
株価 320円
ツインバード工業(株)は「お客様の暮らしに感動と快適を」という創業以来の願いに向け て商品開発を続けています。
激安だけど、高品質な家電製品を制作しているイメージのツインバードですが、 1951 年に新潟県三条市に金属表面処理業として創業し、主にギフト向け家庭用品メーカーとして発展してきた歴史があります。
ただし、技術がありすぎたのか、家電なら何でも作ってしまっているという印象も捨てきれません。
実際に私もスティック掃除機を使用しているのですが、コストパフォーマンスはとても高くてびっくりしています。
期待のSC事業部は次世代冷凍技術の特許
「FPSC」(フリーピストン・スターリング方式冷凍機)は、ツインバード工業が、2002年に世界に先駆けて量産に成功した冷却システムです。
FPSCは、冷媒として少量のヘリウムガスを用いた、環境にやさしい完全脱フロンの冷却システムで、ステンレス製のケーシング内部にはシリンダーが据え付けられ、その内側を2つのピストンが自由に往復運動することでフリーピストン方式と呼ばれ、ヘリウムガスの圧縮・膨張が繰り返されることにより、突起している筒の先端部(吸熱部)が冷却されます。 この吸熱部に熱交換器を取り付けることにより、冷却対象物を冷やすことができます。 吸熱部温度は、周囲温度25℃環境において熱交換器等を取り付けない無負荷の状態では、数分間で-100℃に到達します。具体的には下記の動作原理を参照ください。
弊社では、この方式の冷却モジュールを、これまで全世界の理化学・ライフサイエンス分野に提供してまいりました。さらに技術を極低温冷凍機(クライオクーラー)も開発しました。
この冷凍機ですが、実は宇宙開発にも関与しています。
同社の技術力は、JAXA(宇宙10+ 件航空研究開発機構)のお墨付き。その冷凍冷却ユニットをベースに作られた宇宙10+ 件実験用冷凍冷蔵庫「FROST」は、2013年8月に、種子島宇宙センターから補給船「こうのとり」に積み込まれ、国際宇宙ステーションへと打ち上げられた。国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」では、宇宙飛行士たちが実験サンプルなどを保管するため、現在も活躍中の冷凍冷蔵庫「FROST」の開発をJAXAから依頼され、ベースとなる冷凍冷却ユニット「FPSC」の技術を提供した。
引用 滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」:
“宇宙冷蔵庫”誕生秘話――ツインバードの冷蔵庫はいかにして宇宙へと羽ばたいたのか?
最近少しずつ注目されてきており、この冷却技術はかなり応用の効くものだと考えられます。
フリーピストン・スターリング方式冷凍機、日本橋で本気の営業開始
平成 26 年 10 月 10 日 固定資産(仮称:ツインバード東京ビル)の取得に関するお知らせ
最大の消費地東京に自社ビルを置くことにより顧客ニーズの把握及び予測による商品企画力の強化、海外営業の強化、FPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)事業の強化、さらに情報発信・商談力強化を目指した戦略的ショールームの充実を目指すものであります。
新潟の職人魂溢れるこの会社。
BtoBも、BtoCもどちらも使用するのは人間。
そんな職人魂が本当に伝わってくる製品たちです。さらに、JAXAから依頼されたときにその期待に応えたように、依頼されたらとことんやってやる!という姿勢が日本の工業技術を支えているような気がしています。
F御膳のシナリオ
フリーピストン・スターリング方式冷凍機は、日本橋の営業所取得でかなり周知されるのではないでしょうか?
そうすると、宇宙開発、医療、生物、環境など、さまざまな冷却場面での使用の発表、提携の発表等があると思います。
その時の時価総額は、今のままということはないと考えています。
その他、家電類についても直販や、一人暮らしの方向けのブランディングなど(どんな戦略かはいまのところ分かりませんが)行って、技術・製品の品質に再評価があるかと思います。
今後も追っていきます。